偽物の気持ち





私は、落ち着くまで屋上にいた。

生徒たちが次々と登校してくるのを眺めていた。

教室に戻りたくなかったが、那津にだけは話したかった。

あの過去を知っているのは那津しかいないから。


「那津…今日二人でお昼過ごせないかな…?」


何かを察してくれたのか、優しく微笑んでオッケイしてくれた。

やっぱりあのとき話してよかったと思った。

でも、日向も一緒にが条件だった。

日向なら私も信頼できると思いその条件をのんだ。

徹にはなんて言おうか迷ったが、日向がうまくいっておいてくれた。




< 72 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop