偽物の気持ち
私は、落ち着くまで屋上にいた。
生徒たちが次々と登校してくるのを眺めていた。
教室に戻りたくなかったが、那津にだけは話したかった。
あの過去を知っているのは那津しかいないから。
「那津…今日二人でお昼過ごせないかな…?」
何かを察してくれたのか、優しく微笑んでオッケイしてくれた。
やっぱりあのとき話してよかったと思った。
でも、日向も一緒にが条件だった。
日向なら私も信頼できると思いその条件をのんだ。
徹にはなんて言おうか迷ったが、日向がうまくいっておいてくれた。