偽物の気持ち





他の子たちは、いつものような楽しそうな笑顔はなく、恐怖に怯えている顔をしていた。

だけど、もぅ、遅い。

彼女たちが私をグループに入れたことが最初から間違っていたのだ。

私は気が弱い女に見えたのだろうと。

でも違う。私は心の底からの悪なのだ。

初恋の相手に近付く春が悪い。

春が先輩に無理やり犯されようが私には関係ない。

春が傷付いてもぅ、徹くんに近づかなくなるならそれでいい。

すると、いつも花壇の手入れをしているおばちゃんが止めに入った。


「なにしてるの!?」


先輩は走って逃げていった。

私達も音を立てずにその場をにげた。




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