誓いのキスを何度でも
私と誠太郎の生活は忙しい。

朝、5時に起き、洗濯や掃除や夕食の下ごしらえを終え、誠太郎を起こして、朝食を一緒に食べる。
私はあまり料理が得意ではないので、栄養が偏らないよう気を配る。
朝のバナナとリンゴと小松菜のスムージーは誠太郎に好評で続いているけれど、まあ、後はロールパンかご飯、
目玉焼きとハムとヨーグルトは平日の定番だ。

食器をシンクにつけると、誠太郎が自分には麦芽飲料と私にはインスタントコーヒーを入れてくれ、私は着替えや軽い化粧を施しながら、コーヒーをいただく。

玄関のドアの内側に貼った
誠太郎のひらがなで書かれたお手製のお出かけ前のチェックを2人で確認する。

窓をしめる。ガスの元栓を閉める。
鍵を持つ。スマホを持つ、などなど…

ふたりで確認を終えると微笑み合って鍵をかけ、ランドセルを背負った誠太郎をマンションの入り口で見送り、

私は愛車の軽で、大音量で音楽をかけて歌いながら出勤する。







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