誓いのキスを何度でも
実家に梨を持っていき、シンさんは異動になるとヨウコさんに挨拶をした。

ヨウコさんはシンさんのファンだったのでとても残念がった。
（シンさんはやっぱりどんな女性にも人気だ。
スマートな物腰と涼しい笑顔にうっとりするらしい）

私達の住む部屋の下に車が着くと、誠一が部屋から出てくる。
最近は平日ほとんど部屋にいるようになって、
（合鍵ももちろん粘りに粘って私の許可を取った。）
あのファミリータイプのマンションには寝に帰るだけになっているんじゃないかな。


「お帰り」と笑顔を見せる誠一に

「邪魔」とシンさんも微笑む。

「負け犬」

「譲ったんだよ。
君は他のオンナにモテそうにないから…」

まだまだ続きそうな応酬に、

「今日は一緒にご飯食べよう」と誠太郎が2人の手を掴む。

私は少しホッとして、

「今日はピザにする？」と私が聞くと、

誠太郎は喜んで、2人を連れて部屋に上がっていく。


シンさんは部屋に入るのは初めてだな。

きっと狭くってごちゃごちゃしてて驚くだろう。

私と結婚しなくてよかったと胸をなで下ろすだろう。

そう思って私も楽しくなって笑顔で階段を上がった。





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