誓いのキスを何度でも
「じやあ、…私は自分の部屋にもどるね」と誠太郎を連れて車に戻ろうとすると、

「柏木さんも…よろしいですか?」と私にも真面目な顔を見せる。

「…子どもに聞かせたい話ではないですよね」

「…そうでしたね。 お子さんがいらしたんでしたね」と少し微笑んで、誠太郎に微笑みかけ、
急に驚いた顔で誠一を振り返る。

「…誠一さんのお子さんですか?」と誠一に聞くので、

「私の子どもです。桜庭さんには関係ありません。」と私が声を出すと、

「俺はオヤジのせいで父親になり損なった。
これからは、果歩と誠太郎と一緒にいると決めている。誰にも邪魔はさせない。
オヤジには、跡は継がないと何度も言った筈だ。」と誠一は強い口調で話す。


「誠一さん、話を聞いてください」と木下さんが身体を折って頭を下げている。

「どうして、あなたが頭を下げるんですか?」と誠一が怒った声を出すと、

「私にとっても…父親ですから」とフッと笑った声を出した。

そう。
半分血が繋がっているんだね。

誠一はため息をついて、誠太郎の手を握り、私を促して歩き出し、木下さんを部屋に案内した。

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