誓いのキスを何度でも
今日は定時後の勉強会があるので、急いで学童に迎えに行った後、院内の病児保育室に預けて、私は勉強会に出席する事にする。

病児保育室に預けるというより、仕事が終わった先輩ナースの休憩室で待たせてもらうってかんじになっているのだ。

「いつもすみません。」と誠太郎と並んで病児保育室の責任者である、尾崎 奈々(おざき なな)先輩に挨拶する。

「いいのよ。セイちゃんランドセル似合うね。虎太郎(こたろう。2歳。)もセイちゃんと会えるのを楽しみにしてたよ。」
と彼女のひとり息子と、ひとつ年上の同じようによく預かっているあやめちゃんという女の子がパタパタを走ってきて、はしゃいだ声をたて、誠太郎の手を握って中に連れて行った。

「果歩ちゃん、行ってらっしゃい。
あやめちゃんはセイちゃんがお気に入りね。
虎太郎のライバルだわ。」とふふっと楽しそうに笑って手を振ってくれるナナコ先輩(親しい人達に尾崎先輩はナナコ。と呼ばれている)は可愛いらしい笑顔でエクボを見せてくれる。

ナナコ先輩はここの救命のワイルド系イケメン主任医師の奥さんで、3年前まで一緒に病棟勤務をしていた。(ナナコさんは2年間休職していた事があるけど)
病棟勤務の時からシングルマザーである私にいつも声をかけて、助けてくれる。

「果歩ちゃんみたいに優秀な看護師さんが仕事が続けられなくて辞めたりしたら一緒に働く私も困るのよ。だから、セイちゃんはいつでも預かってあげる」と常々言われているので、つい甘えてしまっているのが現状だ。

いつか、先輩のお役にたちたい。
と思いながら、今日の勉強会に参加した
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