誓いのキスを何度でも
帰り道、

「サクちゃん、お父さんと喧嘩してたの?」

と、疑問に思って聞くと、

「喧嘩してる。
でも、今日は誠太郎のおかげで、喧嘩にならなかった」

「サクちゃんのお父さん、僕達が家族になるのを許してくれたのかな?」

「うん。たぶんね。
また、誠太郎に会いたいって言っていただろう?それはきっと家族になってもいいってことなんだと思う。だって、そうしなければ、もう、誠太郎に会えないだろう?
…わかりにくい人なんだろうなあ…
本当に面倒くさいよ。」


とサクちゃんはため息をついたけど、

僕は果歩もサクちゃんも面倒くさいよ。
昔から好きなら
すぐに結婚しとけばいいのにさあ…

あ、でも僕はどうなったんだろう?

サクちゃんの子どもになって生まれてたのかもしれないな。

と思いながらクルマの中でうとうととする。

サクちゃんの大きな手が僕の頭を撫でているのを感じて安心して家に着くまで、眠っていた。
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