誓いのキスを何度でも
誠一が金色のカードキーを使って駐車場からマンションに入るドアを抜け、

コンシェルジュのいるカウンター横のゲートを開けてエレベーターをカードを使って使う。

エレベーターに乗ると、23階の表示が光る。

ナナコ先輩の部屋の2階下。

「もしかしたら、川が見える?」と聞くと、

「おまかせください」と微笑んだから、

「誠太郎が喜ぶな」

と私が言うと、うん。と嬉しそうに私を抱き寄せ、唇に短いキスをする。

「カメラに映ります」と私が唇を離すと、

「じゃあ、後でゆっくり」と私の瞳を見つめ頬を撫でる。

困った人だ。

今日は頑張って片付けないと…2件分でしょ?
と思いながら、誠一に肩を抱かれて、エレベーターを降りた。


部屋はメゾネットタイプの2階建。
広々とした贅沢な一軒家という印象だ。

1階は広すぎるリビングに2階の天井までの窓。
贅沢なカウンター式キッチン。IHのコンロは3つ横に並び、もちろん食洗機や作り付けの冷蔵庫。キッチンからの裏にはパントリーに家事室。洗濯機と乾燥機が横に並んでいる。
後は主寝室と書斎だろうか。
階段で2階に上がると大きな和室と子供部屋として使えそうなフローリングの部屋が2部屋。
5LDKはナナコ先輩の家とたぶん同じだ。




私はサイドの窓から見える川のから流れを見つめ、
この家はどんな家具を置いても広いだろうと思う。

「すごく、贅沢だわ」とため息をつくと、

「まあ、いいよな。当直の時、心配ないし、
心強いご近所さんがいる」

と誠一は私の顔を見て、微笑む。

マンションのコンシェルジュから引越し荷物が届いた。と連絡がある。

「さて、頑張って片付けるか」

と誠一は楽しそうに微笑み、私はうなずいて、部屋を見て回り、運ばれてくる家具の配置に頭を悩ませた。

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