誓いのキスを何度でも
食器を片付けるのをアタフタと手伝い、
兄夫妻にこれ以上追求されないよう、
セイちゃんと一緒に寝てしまう事にする。

「おやすみない」と言って階段を上がる。
和室で2つお布団を敷き、セイちゃんと並んで横になる。

つい、この間あった運動会の話をセイちゃんに聞きながら眠りにつく。

セイちゃんは去年は果歩さんとご両親だけだったけど、今年はお父さんも、どちらの祖父母もやって来たことが嬉しかったらしく、
お弁当をみんなで賑やかに食べた事や
お父さんと玉入れをした。と興奮気味で教えてくれた。

来年は私も休みを取ろうか…と思いながら
私はぐっすり眠ってしまった。




「沙也加ちゃん」

と控えめな声で目が醒める。

「果歩さん?…もうあさ?」

とモゴモゴ言うと、

「ううん、まだ夜中。
でも、起きて。」

と私の布団を剥いで、持っていたガウンを私に羽織らせる。

「どっ、どおしたの?」

シーと言われ、口を閉じる。

「きっと聞いた方がいいと思って…」

と果歩さんはひそひそと言って部屋を出る。

私は眠い目をこすって果歩さんの後について行く。

メゾネットタイプの家の階段を足音を立てないように降りて、廊下から明かりの付いたパントリーにはいる。

果歩さんが座って。と小声で言って、私をパントリーの中に座らせ、キッチンに入って行った。

リビングでは男の人の話し声がする。

お兄ちゃんと

木下さん?
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