誓いのキスを何度でも
玄関を開けるとガーリックのいい匂いがしている。

「こんばんわ」とキッチンを覗くと、

「来たね」とフワリと微笑み、座っているように言われる。

ダイニングテーブルの上にはシーフードとアボカドのサラダが用意されていて、

私の好きなトマトとモツァレラチーズのお皿も並べられている。

「バケットとワイン買ってきた。」と袋を渡すと、

ガーリックトーストにしよう。今晩は仕事はないだろ。と微笑んだ。

こんな風に長い時間を一緒に過ごすのは初めてだな。と思いながら洗面所で手を洗う。

お掃除はプロの人が入っているからいつも清潔で片付いている。

まあ、料理の後もサッサと片付ける習慣のようだから綺麗好きではあるのかもしれない。

ごちゃごちゃとおもちゃや文房具が広がる我が家とは大違い。とため息をつく。


「いただきます」と手を合わせて、フォークを取ると、
ガーリックの効くピリッと辛いパスタは誠太郎と一緒では食べられない味。

「うう。美味しい。」とシンさんを見ると、私の買ってきたワインを飲んでいた瞳と目が合う。

「よかった。たくさん食べて」と満足そうに微笑む。

「言われなくてもたくさん食べます!」と笑うと、

「やっと仕事と違う笑顔が見れたな」とふっと笑ってくれる。


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