誓いのキスを何度でも
家に戻って掃除をしていると、リュウ先生に送られて誠太郎が帰ってきた。

「ただいまー!」という元気な声に楽しかったお出かけが滲み出る。

私って生活に一生懸命で、遊びに連れていくってあんまりしていなかったかも…

これからは夜勤がない分週末は外に行こう。と少し思う。

手を洗いに洗面所に行くように言うと、誠太郎は跳ねるように洗面所に向かう。



「お世話になりました。」と玄関の前で頭を下げると、

「ゆっくりできた?」とリュウ先生は少し笑う。

報告義務アリって事か…



「結婚したいって言われました。」と正直に言うと、

「だろうね。決心してたみたいだったから…
あの男はいいヤツですよ。
結婚出来たら果歩ちゃんと誠太郎を大切に出来る。」

「よく考えます。」

「よろしく。またね。」と手を振ってリュウ先生も帰って行った。


部屋に戻ると、誠太郎のはしゃいだおしゃべりが始まった。

私は誠太郎の話に耳を傾けながら


結婚かあ。

誠太郎が生まれてから

ちっとも考える事はなかった。


と溜息をついた。
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