誓いのキスを何度でも
「誠太郎は誰にも渡さない!!
私だけの子どもです。
ち、父親なんて必要ありません!!
桜庭の家には渡さない。
桜花グループなんて私には関係ない!!」
「待て!果歩
俺の子どもなんだな。」
「私の子どもです!」
「果歩…俺はあの家を捨てて来たよ。
桜庭の家はもう関係ない。
桜花グループには戻らない。
…だから大丈夫だ。
…俺が悪かった。留学なんてしなければこんな事にはならなかった。」
「…果歩を…看護師として働けないようにしてやる。と親父に言われて…
果歩を守ったつもりで留学に同意したんだ。
すぐに戻ってアメリカに連れて行くつもりでいた。
…でも…半年経って戻ってみたら果歩はいなかったんだ。
俺を捨てて幼馴染と結婚するって退職したって…
…病院に勤めていた記録も消されてた。
果歩の先輩もあの時はなにも教えてくれなかった。
誰に聞いても、どこにいるのかわからなかったんだ。
果歩をうらんだ。
待っているって…そう言ったのにって…
でも…いつになっても、果歩の笑顔が忘れられなかった。」
「ごめん…果歩
俺達の子どもを守ってくれたんだろ。
いままでひとりで子ども育ててくれたんだな。
ごめん。
いままで探し出せなくて…
…ひどい両親で…ごめん」
そう言って私に手を伸ばし、
苦しそうに顔を歪め、
ポタポタと涙を落とした誠一を置いて
私はその場を立ち去る事は出来なかった。
たとえ、今の話にどれだけの嘘が混じっていようとも…
どんなに離れても…
2度と会えないと思っていても…
ずっと待っていた。
私はゆっくり誠一に近づき、
伸ばされた手にそっと手を伸ばして
「誠一」
と昔何度も呼んだ愛しい名前をつぶやいた。
「…果歩」と誠一は囁くような声で私を呼び、
手をギュッと握りしめた後、
私の身体を手繰り寄せ固く抱きしめて私の髪に顔を埋めた。
「…うそだあ…」と固唾をのんで見守っていた加藤先生の呟く声が聞こえる。
「常盤先生…おすすめだったんだけどなあ」とリュウ先生と仲のいい桜子さんもため息をついた。
私だけの子どもです。
ち、父親なんて必要ありません!!
桜庭の家には渡さない。
桜花グループなんて私には関係ない!!」
「待て!果歩
俺の子どもなんだな。」
「私の子どもです!」
「果歩…俺はあの家を捨てて来たよ。
桜庭の家はもう関係ない。
桜花グループには戻らない。
…だから大丈夫だ。
…俺が悪かった。留学なんてしなければこんな事にはならなかった。」
「…果歩を…看護師として働けないようにしてやる。と親父に言われて…
果歩を守ったつもりで留学に同意したんだ。
すぐに戻ってアメリカに連れて行くつもりでいた。
…でも…半年経って戻ってみたら果歩はいなかったんだ。
俺を捨てて幼馴染と結婚するって退職したって…
…病院に勤めていた記録も消されてた。
果歩の先輩もあの時はなにも教えてくれなかった。
誰に聞いても、どこにいるのかわからなかったんだ。
果歩をうらんだ。
待っているって…そう言ったのにって…
でも…いつになっても、果歩の笑顔が忘れられなかった。」
「ごめん…果歩
俺達の子どもを守ってくれたんだろ。
いままでひとりで子ども育ててくれたんだな。
ごめん。
いままで探し出せなくて…
…ひどい両親で…ごめん」
そう言って私に手を伸ばし、
苦しそうに顔を歪め、
ポタポタと涙を落とした誠一を置いて
私はその場を立ち去る事は出来なかった。
たとえ、今の話にどれだけの嘘が混じっていようとも…
どんなに離れても…
2度と会えないと思っていても…
ずっと待っていた。
私はゆっくり誠一に近づき、
伸ばされた手にそっと手を伸ばして
「誠一」
と昔何度も呼んだ愛しい名前をつぶやいた。
「…果歩」と誠一は囁くような声で私を呼び、
手をギュッと握りしめた後、
私の身体を手繰り寄せ固く抱きしめて私の髪に顔を埋めた。
「…うそだあ…」と固唾をのんで見守っていた加藤先生の呟く声が聞こえる。
「常盤先生…おすすめだったんだけどなあ」とリュウ先生と仲のいい桜子さんもため息をついた。