誓いのキスを何度でも
病院にほど近い築20年の1LDKのマンション。
3階の角部屋が私と誠太郎の部屋だ。

12畳ほどのリビングダイニングと押入れがついた6畳の和室。
キッチンは狭いながらもちいさなカウンターが付いているタイプ。
バストイレは別で、リフォーム済み。
リビングダイニングには
4人がけのダイニングテーブルに誠太郎の勉強机。
テレビにテレビ台。本棚、隣にボックスの整理棚。とタンス。で結構いっぱいだから、
ソファーとかローテーブルとかはない。
リビングの真ん中は2畳ほどのラグが敷かれているだけで、誠太郎がゴロゴロして1人遊びをする空間だ。

部屋は広くないけど洗濯物や布団が干せるベランダがあって日当たりが良い。

誠太郎と明るい部屋に住みたかったからここに決めた。

入れば一目で見渡せる私達のお城は賑やかな色であふれ、ごちゃごちゃとしている。


「ただいまー!」と鍵を開けて明かりをつけ、元気な声で入っていく誠太郎の後ろで

「どうぞ」

と言うと、誠一は少しおっかなびっくりって感じで足を踏み入れる。

「ごめん、片付いてなくて…」と誠太郎の脱ぎ散らした靴を揃えておき、スリッパを出しながら言うと、

「いや、子どもがいる部屋って初めてで…うん。」
と言って、ドアに貼ってあるお出かけ前の確認の紙をしばし見つめてから廊下を歩く。

うん、驚いてるよね。


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