誓いのキスを何度でも
壁に貼られた誠太郎のカラフルな絵の数々。
誠太郎が生まれた時からの沢山の写真も薄いフォトスタンドに入って壁に沢山飾られている。
ついでに誠太郎の好きなキャラクターのカレンダー。

誠一はゆっくり壁を伝いながら歩き、写真の前で長い間立ち止まって食い入るように見つめている。


「セイちゃん、手を洗って。」

と言いながらベランダの洗濯物をとりこんでとりあえず寝室にしまう。
誠太郎はランドセルをリビングに置かれた勉強机にドスンと投げ、上着を上に乗せ、

「おじさん、手を洗うんだよ」と誠太郎は誠一のスーツの上着を引っ張る。

きっと、部屋に男の人がいるのがおじいちゃん以外にいないから
少し、興奮して嬉しいのかもしれない。

「ああ、一緒に行く。」

誠一がスーツの上着を脱いでいるので受け取りに行くと、

「やべー。嬉しくて泣きそう。」と瞳を潤ませて、上着を渡しながら、私の手をギュッと握る。

「大袈裟だな」といいながら、手をほどき、
後ろを向いて壁に取り付けたハンガースタンドにかけるけど、
自分の顔が赤くなっているのがわかる。

誠太郎は嬉しそうに誠一の腕を引いて洗面所に入っていった。
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