誓いのキスを何度でも

「果歩、送っておいで。部屋にいるから」と誠一に言われ、慌てて私も階段を降りる。

「お母さん！」と呼ぶと家の車の前で父に肩を抱かれて泣いている。

「果歩、どういう事だ？！」と父に聞かれ、

「…7年前、妊娠が分かったのが、彼が留学に行った後だったの。
もう、会うこともないって、黙っていなくなったの。
彼が去年の末に日本に戻って来て…3週間前に私を探してここに来たの。
お互いもう、他の人と結婚してるって…そう思ってたの…
彼は…なにも知らなかったの。
私が妊娠してたことも…子どもを産んだことも…
黙っていてごめんなさい。」

「彼はひとりなのか？」

「うん。そばにいたいって…言ってくれてるの…」

「後で、一緒に来なさい。」

「…はい」

と言うと、ふたりは車に乗って家に帰っていった。