誓いのキスを何度でも
私の小さな軽の運転席に乗り込んだ誠一は、

危なげのない運転で川沿いのグラウンドに着いた。

誠太郎は嬉しそうに誠一と手を繋いでグランドに向かう。


どう、見ても親子に見える。

目の周りや、唇の形がよく似ている。


私がシングルマザーだと知っている知り合いに会ったら、なんと説明しよう。
と思っていたんだけど…

見えるところには知った顔はいなくて、少し安心した。

お揃いのウエアの上級生と、思い思いの格好の下級生たち。

誠太郎も持っている体操着でいいよ。と
上川 昴(かみかわ すばる。ナナコ先輩のお兄さんで、30代半ば。
独身。細身で子犬系のナナコ先輩に似てる顔立ち。カッコイイ、熱心なコーチだ。)コーチが言ってくれたので、
誠太郎は自分で選んで買ったジャージの上下を着て、
おじいちゃんに買ってもらったサッカーシューズを履いている。

お兄さんたちが練習するカッコイイ様子に目を奪われる誠太郎。

誠一はちゃっかり付き添いのお父さんたちに混じって挨拶したりしながら子供達の練習する様子を見始めている。

小学生のサッカーチーム。『イーグル少年サッカーチーム』は毎週土曜日、練習をしていて、
上級生になると、平日に2回、放課後、学校のグラウンドを借りて
コーチとコーチの友人達が子供達の面倒を見てくれている。
(上級生になると週に3日練習があるって事だ。試合は土曜だけじゃなく日曜もあるから、4日の時もある)
上川コーチは塾の先生をしているので、
学校の成績が悪いと、試合に出場出来なかったり、
練習の参加させてもらえなくなるらしく、
みんな必死に勉強とサッカーを両立させているみたいだって聞いている。

子供の母親たちは週末は順番に当番を行い、練習試合の時に車を出して、
送り迎えをしたり、色々やる事があるらしいけど、

とりあえず、低学年のうちは子供の練習に順番に付き添うって言うのが参加条件になるらしい。

まあ、いつまで続くかわからないしね…









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