誓いのキスを何度でも
誠太郎がサッカーをしている間にナナコ先輩に事情を話してお願いすると、

「今日はみんなでご飯にしましょう。
ご実家での話し合いが終わったら誠太郎君を迎えにくるついでにご飯を食べていって。
2人のことも色々聞きたいし」と楽しそうな声を出した。

ちょうど桜子先生もお休みでお家に遊びに来ているらしい。
(同じ高級マンションに住む2つの家族。尾崎家と東野家はとても仲が良くて、
お料理上手なナナコ先輩のお家によくいるみたいだ。
桜子先生のお嬢さんは虎太郎くんと仲良しのあやめちゃんだ。)

まあ、リュウ先生と桜子先生からの追求からは逃れられないなあ…と覚悟しておく。

「よろしくお願いします。」とスマホで通話しながら、見えない相手に深く頭を下げた。


誠太郎を家に連れて帰り、シャワーを浴びさせ、

「お母さん、急なご用事が出来たからナナコ先輩のお家で待っててね。
一緒に夕ご飯にも誘われているから…」と言い聞かせると、

「いいよ」

と急な用事の時には実家か、ナナコ先輩のお家で待つ。と大体決まっているので、
聞き分けよくうなずき、好きな本やポケットゲームを持っていくカバンに詰めている。

何があったかと聞かないところが少し、聞き分けが良すぎる気がするけど…
2人で暮らしていると、どうにもならない時があり、
それを誠太郎は心得ている。


「誠太郎、俺も後から行くから…」と誠一が言うと、

「まだ、遊べるの?」とパァっと嬉しそうな顔をする。

「果歩、俺が送ってくるよ。片付けてたら…」と言ってくれたので、甘えることにする。

誠太郎がサッカーで使った荷物を片付けたりして、これからの事を思って心を落ち着けた。





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