誓いのキスを何度でも
「普通、助けます!」と言いながら、また、25階で扉があいたエレベーターから怒った顔で降りる。

「警備に通報しとく?」と壮一郎さんは私に聞きながら、一緒にエレベーターから降りたけど、

「俺、着替えて来るわ」とエレベーターに残る誠一。

「ああ、そう?じゃ」と言いながら、壮一郎さんはエレベーターの外のインターフォンを取り、
「東野です。今、エレベーターに乗ってるオトコ。27階にお願いします。
ああ、不審者ではないな。
かなりがっついてたみたいだけど、他の女性にはしないと思う。大丈夫。
はい。よろしくお願いします」とインターフォンを切り、

「桜庭先生。カメラついてるから、ほどほどにね」と手を振って尾崎家に向かう。

当然のように…カメラに映ってた…!

恥ずかしすぎる!


「誠一、カメラに映ってたでしょ!」

とドアを『開』のボタンを押して文句を言うと

「しょうがないだろ。がっついても…2人きりの時があんまりないし、俺は果歩が不足してるんだから。」

と、開き直って、『閉』のボタンを押してドアを閉めてしまう。



ちょっと、どういう事?!

「勝手にキスしないで!!」と閉じたドアに文句を言うと、

「果歩ちゃんも、声出てたじゃん」

とくすんと笑った壮一郎さんが尾崎家のチャイムを鳴らして私を手招きした。



…人に聞こえるほど、声がでてた?
くそう…

と思いながら、誠一の唇の熱さも思い出して赤面した。

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