誓いのキスを何度でも
本日のメインアトラクション。

身長が伸びてやっとジェットコースターに乗れるのだ。
(それも3つも)

嫌がる果歩は留守番させ、
トキちゃんと並んでジェットコースターに乗り込んだ。

「15年ぶりくらいかも」と隣の座席に乗り込む少し緊張した声のトキちゃんがおかしい。

「大丈夫だよ。みんな乗ってるから…」

「ドキドキする。手を繋いでも、いい?」

と言うので、うなずくと、ぎゅっと握る手が少し冷たい。

サクちゃんの手はもっとガッシリしていて、熱い。と少しおもう。

ゆっくりとジェットコースターは動き出し、
すぐに2人で
「わー!!」と大声を出して右や左に体が振られた。



「楽しかったねえ。トキちゃん!」

と出口に歩き出すと、トキちゃんは僕に手を引かれたままヨロヨロと歩いているみたいだ。

「…これって楽しい?目が回るだけだな…三半規管ってどうやって鍛えるんだっけ…」

とかブツブツ言っている。
出口の近くに立つ果歩と、驚くことにサクちゃんがいた。

「サクちゃん!」と僕がトキちゃんの手を離して駆け出して抱きつくと、

「常盤先生、大丈夫?」と果歩が僕の代わりにトキちゃんの腕を取った。

「…なんで、桜庭くんがいるの?」

「誠太郎が始めてジェットコースターにのるって昨日メッセージが届いたからさ。
俺も参加したいなって思って…
でも、ちょうどよかったな。まだ乗れるヤツあるんだろう?
トキちゃん、付き合えないだろうし?」

「…まあ、今回の参加は大目に見てやる」とトキちゃんが言ってる途中で、

サクちゃんは僕の手を取り、

「行くぞ、誠太郎!
果歩とトキちゃんは留守番、ハンバーガーショップで待ち合わせ。
トキちゃん果歩に手をだすなよ!」と言って一緒に走り出す。

「言われなくても、そんな元気はないよ」とトキちゃんはベンチに座り、

「ちゃんと、水分取って!」と果歩は僕等に呼びかける。

僕とサクちゃんは果歩に大きく手を振って応えた。






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