誓いのキスを何度でも
ジェットコースターに2つ乗って飛び跳ねながらハンバーガーショップに行くと、
果歩がお土産を買い込んで、トキちゃんと向かい合ってコーヒーを飲んでいた。

「果歩、もうお土産買ったの?」と僕が聞くと、
「帰りだと慌ただしいし…」とモゴモゴ言うけど、女ってヤツは買い物が大好きときまっているのだ。
お菓子らしい薄い箱の詰まった紙袋と、小物らしい物が入った紙袋。の2つがが足元に置かれていた。

「何買ったの?」と笑いながらサクちゃんが果歩の隣に座る。

「こら、桜庭、なんで果歩の隣に座る?」と少し元気になったトキちゃんが笑う。

「えー、誠太郎をトキちゃんに譲ったんだろ。
いいじゃん、果歩とショッピング出来たんだから…」と果歩の横にある袋を覗き込み、

「果歩、俺コーヒーカップ欲しいんだけど…
いつも、果歩の花柄のカップじゃ、悪いし…」

「…皆さんにマグカップを買いました。」

「気がきくじゃん。どれ?」

「えー?今出すの?」

後じゃだめ?と果歩が仕方なさそうに買った物の中から、カップの入った箱を4個出した。

「ふーん。僕達にも選んでたんだ…」とトキちゃんが笑っている。

果歩が並べたのはオモチャ達がモチーフのキャラクターのカップだ。

かっこいいメカニックな宇宙人。がたぶん僕の。
カウボーイ(ガール?)の女の子。これは果歩?
カウボーイの主人公。

歯をむき出したおとぼけな『馬』

「おい、果歩これって誰が『馬』な訳?」と途端に機嫌が悪くなるサクちゃん。

「…お茶目な馬なの。一目見たら…なんだか憎めなくって…」と果歩が小さな声でしどろもどろに言い訳をしている途中で

「ありがとう果歩。仕事場で使う」とクスクス笑いながらトキちゃんはカウボーイのカップを手に取った。

むうっとした顔のサクちゃんに

「僕のカップも時々貸してあげる」というと、

「まあ、いいよ。馬ならふたりを乗せて走れるからな」とサクちゃんはゲラゲラ笑って、

僕の手を取り、ハンバーガーを買うために立ち上がった。








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