誓いのキスを何度でも
私がそうっと鍵を開けて入ると、

シンとして静かだ。

寝室をゆっくり開けると、同じ布団に入ってふたりがくっついてグッスリ眠っているようだ。

足音を立てないように部屋に入って、そっと誠太郎の頭の横にしゃがんで額に手を当てると、確かに熱があるけど、深く眠っているみたいだ。

ふと、誠一を見ると、目が覚めた様子で私を見つめている。

「ありがとう。よく寝てる。
誠一も当直明けで寝てないでしょう。
ご飯出来たら起こすね。」

と小声で言うと頷いて、誠太郎を抱き直し、目を閉じた。

そんなにくっついて寝ちゃって…


目を閉じたふたりはやっぱりよく似ていて…

私は誠一が誠太郎の父親だと
改めて思いながら、着替えを持って寝室を後にした。


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