誓いのキスを何度でも
夕食後、誠一は翌日も休み。と言ってもう1日、誠太郎と一緒にいてくれると言う。

こんなに甘えて良いのかな…

私が迷った顔をしても、

「俺、ここに泊まるから荷物を持ってくる。」

とか言ってサッサと車の鍵を持って玄関に向かう。

え?泊まるの?

誠一が玄関で靴を履くのを唖然とした顔で見ながら

「…あ、あの…明日来てくれても…」

「ええ?気づいちゃった?
…気にすんなよ。誠太郎と一緒にいたいだけだよ。
帰っても誠太郎の具合が気になるし…
不本意だけど…果歩を今日は襲わないって約束すれば、ここにいても良いだろ」と不機嫌そうな顔で私を見つめる。



「…まあ、そうかな?
でも、付き合ってるってわけじゃないし…
泊まるって…おかしくない?」

「…俺の誠太郎を心配している気持ちはどうでも良いの?」

「ああ。…うん。そうよね。…えーと、じゃあどうぞ」と渋々言うと、

「じゃあ、行ってくるよ。果歩。何か買ってくるものある?」

私が首を横に振ると、じゃあ、すぐ戻る。と私の頭をポンポンと撫でて玄関を出て行った。


…なんだか…

口の上手い誠一に丸め込まれてる?…


うーむ。

とリビングに戻りながら、テレビを見ている誠太郎の後ろ姿を見つめた。





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