誓いのキスを何度でも
家事を終え、シャワーを浴びて違う部屋着に着替える。パジャマになるのはなんとなく気恥ずかしいし…

寝室のドアを開け、客用布団を押入れから取り出していると、
「果歩、俺、誠太郎と寝るけど」と誠一が私に小声で言う。

「そうはいかないでしょう。リビングに布団を敷くから…そっちで寝て」

「誠太郎の具合が気になって何度も覗きに来ちゃうけど?」

「…覗かないで」

「無理」

…なんだそのワガママは?!

「困ったひとだな」と私が深いため息をつくと

「ここに寝る。こんな時くらい果歩と誠太郎のそばにいたい。まだ、夜中に薬飲ませたり、着替えさせたりするかもしれないんだろ?
いままで何にも出来なかったんだ。
果歩は明日も仕事だろ。出来るだけ休んで欲しい。」

「まあ、…そうだけど…」

「だから、ここに寝る」

キッパリ言う誠一を部屋から追い出せない雰囲気だ。

やれやれ。







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