誓いのキスを何度でも
2時間後、
解熱剤が効いて、少しだけ熱が下がった。
汗を掻いたパジャマを着替えさせて、もう一度水を飲ませている間に
誠一が誠太郎の布団を片付け、
使っていなかったもう1つの布団にまた誠太郎と一緒に横になった。

うーん。

咳き込む誠太郎の背中や髪を撫でたりして、本当の父親のようだ。

いや、父親だったな。

誠太郎の寝息が規則的に聞こえてくると、
2人で顔を見合わせて、浅い眠りにつく。
私の髪をそっと撫でる気配がする。

…そんな事をしたら
ダメだって…

私まで『ヨシヨシ』と

頑張ってるよ。

って言われている気がして
安心して眠ってしまいそうだ。



朝方目覚めると、
誠太郎の手を握る私の手を誠一が包むように握って眠っていた。

私はゆっくり誠一の指を解いて、誠太郎の手を握らせ、
誠太郎の熱が下がっているのを確かめ、
誠一の髪をそっと梳いてからゆっくり起き上がった。








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