誓いのキスを何度でも
誠太郎は夏休みに入った。

毎日学童に送って行き、夕方迎えに行く。

ここのところ、
誠一は当直の後や、当直後の休みの日に私が仕事を終える随分前に誠太郎を迎えに行くようになった。
（ほぼ、毎週1度当直がある。）

学童の先生ともなぜか仲良くしていて、誠太郎の様子を聞いたりし、
誠太郎と家に先に私の家に帰って（誠太郎が部屋の鍵を持っているし…）カレーを作ったり、
ホットプレートで焼肉を用意したりして私を待っている。

おまけにサクちゃんの週。の週末は2日ともなんとなく一緒にいるようになっている。
サッカーに行く前にやって来て一緒に食事をし、サッカーに行き、買い物にもついて来て、お金を払ったりもし（一緒に食べるからと言う理屈だ。）
荷物をもち、夕飯を食べ、誠太郎と宿題やゲームをし、テレビを見て、誠太郎と翌日の約束をして帰って行く。
そしてまた、翌日やってくる。

やれやれ。


事実を重ねて私達と家族になろうとする作戦なんだろうか？

誠太郎は誠一にさらに懐いている。

誠太郎は誠一が自分を嫌いにならないとわかったようで、
ワガママを言ったり、喧嘩もするようになっているみたいだ。


シンさんは最初の
『2週に1度、週末のどちらかに誠太郎に会う。』っていう取り決めを
誠一がまるで守っていない。という

その事実を薄々知っているけど、
特にコメントをせずに、
トキちゃんの週の週末に涼しい顔で誠太郎と私を連れてお出かけし、
映画を見たり、博物館に出かけたりし、
帰りにシンさんのお部屋にお邪魔し、美味しい食事をご馳走になって部屋に送ってくれる。
という活動をマイペースにしている。



< 85 / 159 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop