誓いのキスを何度でも
シンさんはあらかじめマリネされたステーキを焼く隣で魚を塩焼きにし、最初にかけたあった鍋はトロトロのラタトゥイユとご飯で、私達はどれも美味しくいただいた。

食後はシンさんが家で焼いてきた甘さ控え目のガトーショコラに温めたチョコレートにマシュマロを溶かしたソースをかけていただく。

あいかわらず、シンさんはおもてなし上手だ。

私達は満足し、一緒に片付けを手伝って、キャンプ場を後にした。



天文台を目指して、車で移動する。

その間も誠太郎は興奮して、喋り続けた。

シンさんと一緒にいれば、こんなふうに過ごす日がもてる事を誠太郎はわかっただろう。

シンさんはスマートな大人でとても優しい。
誠太郎の良い父親になってくれるだろう…

もう少し大きくなれば、シンさんとふたりで出かけられるようになるのかもしれない。と

…これでいいのかもしれない…

と私はボンヤリ考える。

「果歩、疲れた?」とシンさんがバックミラー越しに私に話しかける。

「いいえ。食べ過ぎちゃったかなと思っていたところです」と私が微笑むと、シンさんもミラー越しに微笑んだ。

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