誓いのキスを何度でも
しばらくすると、誠太郎の寝息が聞こえる。

「やっぱり、疲れて寝ちゃったね」

シンさんはそっと笑った声で呟く。

「ずっと興奮して起きてたから…」

と私も少し笑うと


「果歩、車に移そうか。寝ちゃうと少し寒いかもしれないから。」

と言ってシンさんが誠太郎を抱き上げて動く気配がした。

私も起き上がり、懐中電灯で少しだけ見えるようにして車のドアを開ける。
シンさんはエンジンをかけ、エアコンの調節をする。
車内灯も切ってあるので暗いままだけど誠太郎は気持ちよさそうに眠っているみたいだ。

ゆっくりドアを閉め、

「果歩、おいで。帰る用意をしよう」

とシンさんはテントの中に私の手を握って、入っていく。

シンさんが小さな明かりをつけ、私は使ったカップを片付けようと膝をつくと、振り向いたシンさんが私の身体を抱きしめた。

…こうなるとわかっていた気がする。

「果歩、しよう」

と耳元で囁き、私をテントの中で、押し倒して、くちづけする。

私はシンさんの頭に手を回す。

このまま抱かれてしまいたい。

ずっと…シンさんがそばにいてくれた。

「今日はどうされたい?」とシンさんの瞳が私の瞳を覗く。

「優しくしてください」

と言いながら、私は自分でブラウスのボタンを外す。

シンさんはいつものようにゆっくりした仕草で私の胸の上に手を這わせ、首筋にくちづける。

柔らかい唇の感触と舌の動きで、私は深く息を吐き、固く目を閉じる。



< 92 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop