愛を知らない一輪の花 〜after story〜
またいつも通りに慌しく仕事に追われる。
極力店先に立つなという蓮の言いつけを守り、配達や電話の応対。予約の花の生け込みに専念した。
そんなある日、朝から貧血でふらっとした。
そういえば、最近そう言うことが増えてる。食欲も落ちて、食べては吐きを繰り返す。
しかも眠気が凄くて、蓮の帰りを待ちたいのに気づいたら朝を迎えている。
そんな事を思いながら、溜息をついた。
予約のグロリオサをメインに入れた花束を束ねていく。最後にかすみ草を入れようと、手に取った瞬間、吐き気に襲われた。
普段は嫌いじゃない、かすみ草のその独特の香りがやたらと鼻に着く。