愛を知らない一輪の花 〜after story〜
「君が憶えていないのも無理はない。君はまだ12歳だったと聞いている。そんな幼い少女の夢が、あの子の目標で夢になった。、、、結婚適齢期になっても誰も連れて来ない。少し心配になってお見合いを勧めるが、その度に断られた。、、、心に決めた女性がいるんだとね。そんな幼い少女を想って、、、彼女が女性になるまで待っていたようだ。随分、待ちすぎたようだけれど、、、。」
「夢、、、ですか?」
そう呟く百合に、優しく微笑む。
「君の、、、子供の頃の夢はなんだい?」
暫く、考えて、、、はっとした。
「君に、、、ピッタリな名前だね?」
親がくれた名前。最初で最後の愛。それだけが心の支えだった。
止まっていた涙があふれ出す。