愛を知らない一輪の花 〜after story〜
助手席に乗せられた百合は、後ろを振り向く。
「社長の顔、見てみなよ。斉藤ちゃん。」
そう言われ、運転席の蓮を見る。
困ったように、笑っていた。
そんな顔に、胸を締め付けられ黙り込む。
「、、、じゃあ、行こうか。」
静かに駅前へと向かう。
静まり返った車内に耐えられなくなり、蓮に声をかける。
「蓮さん、、ごめんなさい。」
「ん。、、、俺に遠慮はしないで欲しい。そこは百合の場所だよ。」
そう言って
百合の手に自分の手をそっと重ねる。
2人のむせ返る様な甘い雰囲気に
後ろの3人は、苦笑いを浮かべた。