この手だけは、ぜったい離さない



やばい……嬉しい。

洋くんとはグループも違うし、あんまり話せる機会はないだろうなってちょっと寂しかったから。



まさか洋くんから「オセロしよ」って言ってもらえるなんて思ってもいなかった。



みっちゃんが勝手にラインを送ったときは泣きたい気分だったけど。

でもみっちゃんが背中を押してくれたから、私は明日の夜に洋くんと会えるんだもんね。



「みっちゃん……ごめんね。ありがとう。洋くんに会えるから本当に嬉しいよ、みっちゃんのおかげだよ」

「よかったね。あかりはもっと自分に自信を持っていいんだよ。どうせ私なんかって悲観するんじゃなくてさ。仙崎はあかりが思ってる以上に、あかりのこと大切に思ってくれているように見えるよ」



みっちゃんが私の背中をバシッと叩くと、園崎さんたちが「なになにー?なんのはなし?」ってオセロの途中で声をかけてきた。



オセロの石をくるくると白色に返しながら「好きな人のはなし?」と、いたずらに笑ったのは筒原さん。



「ちっ……違うよねぇ、みっちゃん?」

「えー?それはどうかなぁ?」

「ちょっと!そこは違うって言ってよぉ!」



私がわっと声をあげれば、部屋の中は5人の笑い声でいっぱいになった。



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