この手だけは、ぜったい離さない
ちょうど今から6年前くらい。
小学3年生が終わり、春休みに入ったころ。
お父さんの長期出張が決まったことで、引っ越しには反対だったけど大好きなこの町をはなれた。
この町のなにが好きだったかって。
まず田んぼや畑が多いからのどかだってこと。
引っ越し先の都会とは違って、ここは静かなところ。
ひまわり畑だったりコスモス畑だったり、ホタルの名所といわれている公園だってあったりして、自然が豊かなところ。
そんなこの町はいわゆるど田舎なんだけど。
コンビニとかスーパーなんかはあって、生活に困らないだけのお店はしっかりあるところ。
あとは道行く人のほとんどは、会ったことのない人でも挨拶をしてくれるっていう人あたりのいいところも好き。
つまり、すごく住みやすい町だった。
私はこの町が大好きだった。
住みやすいってこと以上に、とっても仲良しな幼なじみがいたから。