この手だけは、ぜったい離さない

「うわっ、いきなりなんだよびっくりするじゃねぇか。って、なんだアリサとミオかよ」

「なんかイケメンが来たなーって思ったら、やっぱり洋だった。つーか久しぶりじゃない？中学卒業して以来だよね？」

「イケメンって……ごまをすったところでお前には奢らねぇからな。そうだなぁ、そういやぜんっぜん遊んでなかったな」



洋くん……仲良さそうに話してる。

アリサさんとミオさんは中学生のころによく遊んでた子なのかな？



なにそれもしかして存在忘れてた？

まいにち遊んだ仲なのに？

なーんて、アリサさんの隣に座っているミオさんも会話にまざりはじめちゃった。



なんだか嫌だなぁ……。

私だけまるで空気みたいになっちゃってる。

あぁ、気まずい。



まぁいいや…。

まだメニュー決めてなかったし、洋くんが話してる間にじっくりゆっくり考えよう。



「っていうか、洋が女の子とふたりでいるとか珍しくね？えっ、その子彼女なの？」

「いやいや、この子が彼女なわけないでしょアリサ」