この手だけは、ぜったい離さない



「あっ、でも洋くんやみっちゃんに会えたことは本当に嬉しいんだよ?みっちゃんが一緒にいてくれるから、クラスに馴染めなくてもなんとかやっていけてるしねっ」

「……そっか。わかった、じゃあこれからはサボったりしないで、まいにちちゃんと授業に出るようにする」

「……えっ?」



授業に出るって……?

それはいったいなんの話し?

確かに洋くんは、サボってばかりでほとんど教室にいないけど。



「いや、まだクラスに馴染めてないって言っただろ?だったら俺も教室にいれば、ちょっとは馴染めるかなって思ったんだけど…」



それは……洋くんなりの気遣いなのかな?

私が、クラスで話せる友達はみっちゃんと洋くんしかいないって言ったから?



「まぁ1番いいのは、あかりを都会の友達に会わせてやれたらいいんだけどな。俺にはそれはできそうにねぇから」



だからせめて、あかりがクラスに慣れるまでは一緒にいるよ。

洋くんがそんな、思いもしていなかった言葉をくれたもんだから…。



思わず「へえ……?」だなんて、気の抜けた声がでた。



「……って、なんだよその呆けた顔は。それは遠慮しとくってか?」


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