この手だけは、ぜったい離さない



という様子で……お父さんとお母さんから『仙崎くんと付き合ってるのか』責めをされながらも。

11時には無事、食パン5斤ぶんくらいのサンドイッチを作り終えた。



ちょっと作りすぎちゃったかなぁ…?

まぁ、足りないってなるよりはぜんぜんマシだよね?



事前に買っておいた紙製のお弁当箱に、サンドイッチ丁寧に並べて。

あとはその周りをレタスやブロッコリー、プチトマトだったり、星の形に型を抜いたニンジンで飾りつけて、っと。



洋くんのぶんと、洋くんのお父さんのぶん。

あとついでに私のぶん。

3つのお弁当箱をトートバッグにつめて、家を出た。



向かった先はもちろん小学校。

ここから小学校まで歩いて20分くらいだから、洋くんと交わした『11時半くらいに校庭で』という約束にちょうどいい時間だ。



洋くん、美味しいって言ってくれるかな?

喜んでくれたら嬉しいなぁ。

男の子にお弁当なんか作ったことないから、なんだかすごくドキドキしてきた…。



田んぼばかりが見える歩道をまっすぐ進み続けると、民家がぽつぽつ見える中に小学校の正門が見えてきた。

洋くんたちが組んだ鉄骨に、ぐるりと囲まれた校舎も見えてくる。



この場所に来るのも6年ぶりだな…。



< 84 / 228 >

この作品をシェア

pagetop