この手だけは、ぜったい離さない
という様子で……お父さんとお母さんから『仙崎くんと付き合ってるのか』責めをされながらも。
11時には無事、食パン5斤ぶんくらいのサンドイッチを作り終えた。
ちょっと作りすぎちゃったかなぁ…?
まぁ、足りないってなるよりはぜんぜんマシだよね?
事前に買っておいた紙製のお弁当箱に、サンドイッチ丁寧に並べて。
あとはその周りをレタスやブロッコリー、プチトマトだったり、星の形に型を抜いたニンジンで飾りつけて、っと。
洋くんのぶんと、洋くんのお父さんのぶん。
あとついでに私のぶん。
3つのお弁当箱をトートバッグにつめて、家を出た。
向かった先はもちろん小学校。
ここから小学校まで歩いて20分くらいだから、洋くんと交わした『11時半くらいに校庭で』という約束にちょうどいい時間だ。
洋くん、美味しいって言ってくれるかな?
喜んでくれたら嬉しいなぁ。
男の子にお弁当なんか作ったことないから、なんだかすごくドキドキしてきた…。
田んぼばかりが見える歩道をまっすぐ進み続けると、民家がぽつぽつ見える中に小学校の正門が見えてきた。
洋くんたちが組んだ鉄骨に、ぐるりと囲まれた校舎も見えてくる。
この場所に来るのも6年ぶりだな…。