幾千夜、花が散るとも
1章
あたしには。ハタチから年に5回だけ特別な日がある。
12月25日、2月14日、3月14日、4月12日、9月8日。クリスマス、バレンタイン、ホワイトデー、自分の誕生日、千也(せんや)の誕生日。
数字で並べてみると12月から4月の間が立て続けで固まっちゃってるけど、こればっかりはしょうがない。
この日だけはね。千也があたしの望みを叶えてくれる特別な約束の日。あたしがそれをどんだけ心待ちにしてるかなんて。千也は知ってていつも訊く。
『いいよ。カナが欲しいモノ何でもあげる』
だからあたしの答えもいつも同じ。20歳になった誕生日から1回もブレることなく。
『じゃあ千也をもらうね』
あの日から。あたしが千也を貰えるのは、千也が欲しいものを訊いてくれる5回だけ。365日のうち、たったそれだけ。
でもいいの。それだけだっていい。毎日もらえなくたって、一緒に暮らしててずっと傍にいて。いっぱい甘やかされて愛されてて。
あたしと千也はカミサマに永遠が赦されてるんだよ。たとえ地球に隕石が落ちて人類が滅亡してもあたし達はね。
だって。北原可南子(きたはら かなこ)と北原千也(きたはら せんや)は、誰が文句の付けようもない紛れもない兄妹なんだから。
12月25日、2月14日、3月14日、4月12日、9月8日。クリスマス、バレンタイン、ホワイトデー、自分の誕生日、千也(せんや)の誕生日。
数字で並べてみると12月から4月の間が立て続けで固まっちゃってるけど、こればっかりはしょうがない。
この日だけはね。千也があたしの望みを叶えてくれる特別な約束の日。あたしがそれをどんだけ心待ちにしてるかなんて。千也は知ってていつも訊く。
『いいよ。カナが欲しいモノ何でもあげる』
だからあたしの答えもいつも同じ。20歳になった誕生日から1回もブレることなく。
『じゃあ千也をもらうね』
あの日から。あたしが千也を貰えるのは、千也が欲しいものを訊いてくれる5回だけ。365日のうち、たったそれだけ。
でもいいの。それだけだっていい。毎日もらえなくたって、一緒に暮らしててずっと傍にいて。いっぱい甘やかされて愛されてて。
あたしと千也はカミサマに永遠が赦されてるんだよ。たとえ地球に隕石が落ちて人類が滅亡してもあたし達はね。
だって。北原可南子(きたはら かなこ)と北原千也(きたはら せんや)は、誰が文句の付けようもない紛れもない兄妹なんだから。
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