幾千夜、花が散るとも
7章
 “結果”が出るのは多分、来月のゴールデンウイークが終わってから。それで来るものが来なかったらきっと。千也にもそう伝えたら「そっか」とやんわり笑んであたしの頭を撫でてくれた。

 一也には。来たるべき日が来たら云うつもりだけど。
 ・・・本当は。

 頭の隅を過ぎった思いを、あたしは振り払うように顔を洗い。台所で、朝ご飯と昼のお弁当作りにかかってる一也の隣りに立つ。

「そう言えば、一也の会社は今年のゴールデンウイークいつからいつまで?」

 自分のお弁当箱に出来上がってるおかずを詰めていきながら、尋ねた。

「28日から6日まで。平日は勝手に有休扱いされるよ毎年」 

「ウチも一緒。どっか出かけんの?」

「可南は?」

「特にナシかなぁ。友達と会うぐらい?」

「俺は別に何もないからぜんぶ可南に付き合えるよ」

「ん。千也はカレンダー通りって言ってた」

「そう」
 
 毎年似たような会話をしてる気もするけど、みんなで一緒にいられる時間が増えるから大型連休はやっぱり嬉しい。それでも3人で出かけるコトはほとんど無くて。どうしても2対1の図になっちゃいそうで、あえて選択肢から外してるっていうか。



 だから会社の昼休みにスマホをチェックして、千也からラインが来てたのを見てちょっと驚いた。
 “29日、30日で一泊二日の温泉旅行に行くから、二人ともヨロシク”

 目から鱗? ・・・青天の霹靂、棚からボタモチ、うーん・・・寝耳に水だわ。
< 43 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop