幾千夜、花が散るとも
月末が連休になる分の詰まった仕事もどうにか片付け、心置きなくゴールデンウイークに突入。みなみ先輩も彼氏と旅行に行くって言ってたから、連休明けはお土産交換会かな。
一泊とは言えそれなりの荷物を積み、千也のミラージュで出発する。助手席に一也、あたしは後ろに。
「可南、高速乗ったらシートベルトな。おトイレは早めに言いなよ? 渋滞するから」
こういう時なんでか一也は“お母さん”ぽくなる。不思議。
「ね、一也。こないだみたいに寄り道しながら行くのダメなの?」
間から乗り出すようにしてあたしが顔を覗かせると、間近で振り返った一也は困ったように笑んだ。
「渋滞が分かんないだろ?」
「夕方までに着けばいいんだから、どうにでもなるよ」
千也がのほほんとして言ったのを一也が溜め息で返す。
「・・・千也はアバウトすぎなんだよ」
一也は冷めてる割りに生真面目で。
千也はいい加減そうで、気配りの人。
似てないようで似てる兄弟。
あたしの大事な二人。
この旅行がすごく楽しみで、今朝もすごく早く目が冴えちゃって。3人で出かけるのがこんなにワクワクするなんて。天気も上々で心底、最高な気分。
「ハイハイ、二人だけで盛り上がるの禁止ー。あたしを置いてきぼりにしないでよ?」
『しないよ』
ユニゾン。見事にハモった。
仲いいねぇ?
一泊とは言えそれなりの荷物を積み、千也のミラージュで出発する。助手席に一也、あたしは後ろに。
「可南、高速乗ったらシートベルトな。おトイレは早めに言いなよ? 渋滞するから」
こういう時なんでか一也は“お母さん”ぽくなる。不思議。
「ね、一也。こないだみたいに寄り道しながら行くのダメなの?」
間から乗り出すようにしてあたしが顔を覗かせると、間近で振り返った一也は困ったように笑んだ。
「渋滞が分かんないだろ?」
「夕方までに着けばいいんだから、どうにでもなるよ」
千也がのほほんとして言ったのを一也が溜め息で返す。
「・・・千也はアバウトすぎなんだよ」
一也は冷めてる割りに生真面目で。
千也はいい加減そうで、気配りの人。
似てないようで似てる兄弟。
あたしの大事な二人。
この旅行がすごく楽しみで、今朝もすごく早く目が冴えちゃって。3人で出かけるのがこんなにワクワクするなんて。天気も上々で心底、最高な気分。
「ハイハイ、二人だけで盛り上がるの禁止ー。あたしを置いてきぼりにしないでよ?」
『しないよ』
ユニゾン。見事にハモった。
仲いいねぇ?