僕はただのbarのオーナーです
『兄貴…?』
「……汐…ですか?」
覚えてくれてた。
兄貴が生きてた。
正直、助かったことより嬉しかった。
「なにー?澪の知り合い?」
「えぇ。ひとつ下の弟です。」
「え!?汐!?
うわー、澪とそっくりで生意気そうー」
「失礼極まりない発言ですね。
それに弟ではありますが、今の家族はいませんよ。」
淡々と翼さんに返す兄貴。
行方不明だった兄貴とその親友兼幼なじみの翼さんが生きてた。
けど……
家族はいない?
どういうことだよ…。
「お前、その人間不信何とかしろよなぁ。
家族まで疑ってどうするんだよ。」
「大きなお世話です。」