僕はただのbarのオーナーです
彩沙が心配そうに聞く。
けど、千里はなんてことないように笑って言葉を返してくる。
「それはねぇよ。
さっきも言ったけどこれは特例。
しかも、処罰を決めるのは組織のトップでしかも判断も基本はトップがする。
俺の場合は澪…黒羽さんだし、翼……白羽さんの場合は黒羽さんと仲のいい人がオーナーだし。
黒羽さんに至っては、本人がオーナーだからな。」
『じゃあ、澪は偉い立場ってわけ?』
「んー。
裏には表向きの上下関係ってのはあるけど、実質的にハッキリとした上下関係ってのはねぇんだよ。
だからこそ、下克上ってのがあるんだけど。
澪の場合は特殊でな。
長いことトップクラスにいるから、向かうところ敵なしなんだ。
だからこそ誰も下克上しようと思わねぇし、思えない。
翼も次期オーナーって言われてるし、偉い立場といえば偉いのかもな。」
なんか規律がしっかりしてるようで、してないのが裏の世界ってことなのかな?
僕たちはなんとなく理解してるし、疑問を全部ぶつけていく。
汐は相変わらず黙ったままだけどね。