僕はただのbarのオーナーです
ため息をつくとケラケラと笑ってカバンを僕の分まで持つ翼。
「どうせ、明日は俺とお前は忙しいんだ。
たまには、昔みたいに普通を求めててもいいんじゃね?」
『…そうだね。
たまには、そういうのも‥‥悪くない。』
ふっと笑って翼から自分のカバンを取り返す。
普通を求めてみようか。
せっかく、今と向き合ったんだから。
僕も翼もきっと変わった。
たぶん、いい意味で変われたんだ。
裏切られることを恐れてたり、信じることを拒んだり、光に踏み入れることを拒絶してた僕ら。
それは気まぐれと強い勧誘によって銀楼に入らなかったら起こらなかった奇跡。
『何考えてるの?』
「ん?きっとお前と一緒。」
隣で黙って歩いてた翼に聞くと返ってきた言葉。
『そっか。』
気まぐれを起こしてみると、意外と奇跡を起こせるものだ。
だから。
たまには、気まぐれをおこしてみよう。