僕はただのbarのオーナーです
翼side
雫石から出て、澪と並んで帰る。
会話のない時間。
それはいつもだけど、それは気まずさとか一切無くて、むしろこの空気が好きだったりする。
なんでだろうな。
ほかの奴らなら気まずくて、話題を必死に探してる自分がいるのに。
俺も澪もきっと変わった。
それはいい意味で変われたんだ。
裏切られることを恐れてたり、信じることを拒んだり、光に踏み入れることを拒絶してた俺ら。
銀楼に入ったのはただの気まぐれ。
あと、当時の総長だった要さんがしつこかったってのが理由かな?
けど、そのお陰で澪は汐に会えたし俺は兄貴に会えた。
もし、銀楼に入ってなかったら。
きっと俺らは変わってただろう。
もちろん、悪い意味で。
もしかしたら、要さんは分かってたのかもしれない。
この結末を。
「何考えてるの?」
『ん?きっとお前と一緒。』
本当に同じことを考えてたかは分からないけど、そう返すと澪は微笑む
『そっか。』