僕はただのbarのオーナーです
拗ねたように笑いながら、言う翼にそんな翼を笑いながら見てる澪。
「覚悟はしておくよ。
汐がどの世界を選んでもいいようにね。
さて。
そろそろ仕事に行かなきゃ。」
「やべっ!
早くしねぇと!」
『仕事か。
気をつけろよー』
そう声をかけると、ふわっと笑ってフードを被り暗い路地に入った2人。
あいつらがトップの殺し屋と始末屋……ね。
まあ、俺の息子とあいつらの息子だからな。
しゃーねぇか。
リビングに戻ると入れ違いに汐が家を出て行った。
『大きくなったな。』
「12年だもの。」
たった12年と言うべきかもう12年と言うべきか。
けれど、俺たちにとってはすごく長くて一瞬にも近く短くて。
『もう高校生卒業だもんな。』
「澪も翼くんも、本当に大きくなってたわ。」
子供が親離れするのを痛感する12年だ。