僕はただのbarのオーナーです
あくまでもはぐらかす澪に少し苛立って食って掛かる。
すると澪は困ったように笑って、言葉を紡いだ。
「言えないのではありません。
言いたくないんです。
まだ……知って欲しくない。
それが答えでしょうか…。」
知って欲しくない?
「貴方は優しい方ですから。
私と同じ道に来させたくはないのですよ。」
『意味わかんねぇんだけど』
「分からなくていいんです。
貴方がもう少し大人になるまでは。」
小さく呟く澪。
さらに分かんねぇ‥‥‥‥。
「いつか、貴方は向き合わなくてはなりません。
それが明日なのか10年後なのか。
私には分かりませんが。
出来るだけ早いことを願いますよ。」
『ほんと、お前は読めねぇわ』
「簡単に読まれては困ります」