僕はただのbarのオーナーです
そんな組織が警視庁にあったなんて……。
つまり、互いの後ろにつき互いに守り合う関係ってことだよな?
「俺たちを攫った時はお仕事だったそうですよ。
要さんと凜音さんに頼まれていたのだとか。」
「あの事件はお前らを裏に軽く触れさせるだけの予定だったんだけど、まさかあの女が狂ってて、そのままお前らが裏入りするなんて予想外でな……。
本当にすまないと思っている。」
運転をしているからこちらを見て頭を下げることはしなかったけど、ミラー越しの荻原さんはものすごく哀しそうな顔をしている。
きっと向き合っていたら深くお辞儀でもされてたんじゃないだろうか‥‥‥‥。
『俺らが選んだこと…ですから。
あの‥‥気にしないでください‥‥。』
そう言うと隣でクスクスと笑ってる澪。
荻原さんも一瞬驚いたものの、クスクスと笑っている。
『えっと‥‥なんで笑ってんの?』
「お前らソックリだな。
言うこと一緒じゃねぇか。」
『え?』
「私も同じ言葉を返したんですよ。
あなたと全く同じ言葉をね?」