僕はただのbarのオーナーです
LAST cocktail
澪side
計画なんていらない。
そんなの。
たててる時間がもったいない。
大切なもの。
大切な人。
何一つ守れなくて、この力は何の為に身につけたんだよ。
表に何度帰りたいと思っても。
その笑顔を守りたいと思えば耐えることができた。
裏にいて辛くなっても。
周りに笑顔を見せてくれる人がいたから頑張れた。
「‘気をつけるんだよ。
KINGの総人数は予測不能なんだからね?’」
インカムから聞こえてきた凜音さんの声がいつになく真剣で、僕たちを本気で心配してくれることが手に取るようにわかった。
『大丈夫ですよ。
必ず、助け出して戻りますから。』
「凜音さん、信じてくださいよ。」
舞蝶とは違う血蝶は、雫石と蒼炎の完全合同チーム。
舞蝶はその逆で互いに報酬を払いあい、手を貸し合うチーム、
血蝶は組まなければならないときにしか組まないもの。
けど、今回のは僕らの我が儘。
本来、一般人に報酬もなしで血蝶として出るなんてありえないこと。
本当、凜音さんたちは優しい。