僕はただのbarのオーナーです
『いらっしゃい。初めてのお客様ですね。
カウンターへどうぞ』
5人をカウンターに案内する。
近くに来る5人を見て不覚にも驚いてしまいました。
奇抜な髪色にではありません。
見たことある顔ぶれだったんです。
暴走族 銀楼の幹部メンバー。
この辺では知らない人はいないでしょう。
『何を注文されますか?』
平素を装って尋ねますが、誰も頼む気配がありません。
一瞬ですが、殺意がわきました。
聞いてるなら答えろよという心境です。
『注文が決まればおっしゃってくださいね。』
全力でスルーですか。
ま、あまりこの方たちと関わりたくないのですが。
何と言ったって5人中3人はクラスメイトですし。
もう一度言いましょう。
5人中3人はクラスメイトです。
しかも、残念なこと席まで近いのです。
本当に、呪われているのでしょうか。
もっと言えば僕とすれば残念なのですが…〝私〟からすれば得なのです。
何分、僕の通う高校は有名な不良学校。
といっても校舎は恐ろしいほど綺麗ですし、先生が一部物凄く怖いのでサボる方もほとんどいませんが。
銀楼のほとんどが通う学校なのです。