僕はただのbarのオーナーです
『ブラッディー・メアリーをいただけますか?』
「澪さんが飲むなんて珍しい。
要さんに無理言われました?」
『あの方はいつでも無茶苦茶ですが。
今回は〝雫石の頼み〟ですよ。』
「これまた珍しい。
雫石さんが。ではどれだけのものをご所望で?」
クスクスと笑いながら、カクテルをカウンターに置いてくれる凜音さん。
紅く透き通ったカクテル。
それを一口飲んで、こちらもクスリと笑う。
『一番高いものを。
私一人では大変ですのでお手伝いいただこうかと。
出来ればでいいのですがね。
白い羽を貸していただきたいのですが。』
「白い羽は高いのですよ?」
『ふふっ。
貸せって言ってんだろ』