僕はただのbarのオーナーです
汐side
大切な家族。
一心に守ってくれた兄。
そんな兄の秘密を知った場所。
雫石
『半年‥‥か。』
closedの看板がかかった雫石の店。
俺と母さんが拉致られて、兄貴が撃たれて‥‥‥‥‥‥それから半年がたった。
あの日からこの店はclosedのままだ。
「あれ?汐??」
『翼さん。』
後ろからかけられた声に振り向くと、そこにいたのは買い物のあとなのか袋を手にした翼さんがいた。
翼さんはなれた動作で雫石の鍵を開けた。
「お前、まだ気にしてんの?」
『そりゃ、あんな事になったんです。
気にしない方がおかしいでしょう。』
「まあ、表の人間の感性ならそれが普通か。」