僕はただのbarのオーナーです
舌打ちをして出ていく澪の背中に謝った。
澪は何も言わずに出ていく。
その背中に多くのものを背負ってくれている。
分かってる。
俺が完全に闇に堕ちきらないのは澪が下から持ち上げてくれてるから。
逆に言えば、澪は完全に堕ちてるって事。
なぁ。澪。
『お前は自由になれねぇのかよ。』
俺は白羽。
穢れなき羽。
けどそれは。
澪や凜音さん。
みんなが堕ちないように、穢れないように持ち上げてくれてるから。
いつか俺だけでも戻ることができるように。
きっと俺は甘やかされてる。
そして、俺は誰よりも子どもだ。
『フラフラしてらんねぇよな。』